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その世界でしか通用しないこと

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知っている人にしか

ある種のファッションでは、それが好きな人の間でしか通じない事柄というのがある。サブカルチャーと言ってもいいだろうか。知っている人しかわからない、楽しめないというのは、何も現代のファッションだけの話じゃない。これは日本人の民族性なんだろうかとかも思ってしまう。閉鎖的で異質だとNGという枠を作りたがる。

クダン

江戸時代は文字が庶民にも広がった時代でもある。それまでの中世では、文字は一部の人の物だったが、近世である江戸時代の識字率は飛躍的に向上した。文書主義による支配、統治もいきわたり、文書テンプレートもいきわたる。
慣用的に使われる書き方には、手形之事、右之者、紛無之候処、此度、相成度、願出候付、任其意、可被下候、然ル上、無御座候、為后日仍などがある。
そして、如件。クダンノゴトシ。最後につけるのだが、「件」は、行とかを意味するので、「今まで書いてきたとおりです、以上」という意味合いだ。庶民にもこの文書の形式が浸透しているわけだが、件の意味がいまひとつわからなくても、とにかく最後にはクダンノゴトシなのだ、と。
で、悪乗りする奴が現れる。件は、ニンベンに牛。件という獣がある。牛のボディに人の頭である。そう書いて、イラストをそえた印刷物が作られた。「大豊作を志良須 件と云う獣なり」

くたべ

さらに悪乗りは加速する。派生し乗っかる奴がでる。くたべである。件は、当時の崩し字で、筆で書くと、くたべと見えないこともない。「ん」が伸びると「べ」に見える。やはりイラスト付きで出回るが、ご丁寧に、「中国では、件、日本では、くたべ」と丁寧に学術的(w)に解説されている。

スカベ

こういうのは、どんどん品が無くなっていくのが常なんだろうか。クダンは、見ようによって、スカベにも読める。で、スカ屁ができた。越中の尻が洞からスカ屁が登場したという。クサイらしい。

分かる人にしか

結局な、わかる人にしかわかんないなんて話は、昔からいろんなことろであるわけでなぁ。俺には70才のピンクのファッション世界はわからないけど、それで悲しいとは思わないな。

為后日仍 件如。